スポーツで地域を拓く

ご挨拶

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私ども一般財団法人日本スポーツコミッションは、まちづくり・地域づくりの視点から、如何にしてスポーツを活用したまちづくりや地域の活性化を図っていくかについて調査研究し、活動していく組織として平成21年5月に設立いたしました。

この地域の活性化には、経済的視点が重要であることは重々承知していますが、まちづくりや地域づくりには、人材やアイデンティティ、コミュニティ、交流、情報発信などの経済的視点以外の考え方、すなわち社会的視点が必要と考えております。

したがいまして、私ども日本スポーツコミッションでは、スポーツの有する経済的効果のみならず、社会的効果の両面からスポーツを捉え、その活用によるまちづくり、地域づくり、ひいては地域の活性化、さらには活動を行う組織(例えば、スポーツコミッション)の形成・支援などを図っていこうとするものであります。

このような理念のもと、まちづくりや地域づくりの視点からわが国におけるスポーツを捉えますと、スポーツは近年に至るまで「体育」教育の一環として、青少年の健全なる育成を主目的に行われてきた経緯があります。
その背景には、明治期の富国強兵・殖産興業という政策推進のため、国民の心身の強化を図ることが重要であったところまでさかのぼります。その後、運動会、あるいは野球などの一部の競技以外は、大正・昭和と継続して体育教育の一環として行われ、国民のレクリエーションとして行われることは少なかった、という経緯があり、第2次世界大戦後も同様であります。
また、行政においてもスポーツを所掌する部局は、教育委員会にある場合が多く、一部首長部局で対応しているケースもあるものの、その目的は青少年の健全育成やスポーツの振興となり、後述するような多様な効果を発現させ活用できる体制や施策展開がなされていない状況にあります。

この、「体育」的意味合いを強く持って発達してきたわが国のスポーツではありますが、1993年に Jリーグが「地域との連携」という目的を大きく提唱して開幕し、スポーツと地域とのかかわりが強く意識されはじめました。
また、2000年度に策定された「スポーツ振興基本計画」では、スポーツが経済的効果や地域医療費の削減効果、青少年の健全育成、地域の連帯感醸成、国際的な交流等に資するなどの多様な効果を有すると言及しています。さらに、2022年度から実施されております「第三期スポーツ基本計画」では、「スポーツを活用したまちづくり、地方創生」が謳われてきています。
特に近年は、地域と連携した各種スポーツ大会の開催やスポーツ振興のみならず、青少年の健全育成、ボランティア組織の形成、地域コミュニティの形成、地域アイデンティティの醸成、国内外の交流促進、あるいは地域情報の発信といった社会的効果などの発現が期待されています。

このような中でスポーツは、社会・生活環境の変化やマスメディアの発達、情報手段の発展などを背景に、これまでの自ら行うスポーツから、観るスポーツ、あるいは支援するスポーツなどに分けられ、その意義や目的なども多様化してきており、まちづくりや地域の活性化のための新たな手段となりつつあります。

私どもは、このような「スポーツ」を如何に活用し、その効果を十二分に発現させて、まちづくり・地域の活性化に資する活動やその活動組織を形成させていくかについて、日々努力していく所存であります。

理事長 木田 悟

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